Column 「 トゥルーオーガニックス オン ファッション 〜オーガニックって何?〜 」


"オーガニック"と名のつく商品やお店が増えています。特にコスメ商品でオーガニックとPRしているものがとても目につきますね。では、今さらながら"オーガニック"って何でしょう?

 

"オーガニック"="有機栽培" ですね?

 

では、"オーガニックコスメ"の定義はというと…?

 

有機栽培された植物を使って化学物質(ケミカル)を主成分とせずに製品化された化粧品ということになります。

 

ちなみに、"化学物質(ケミカル)"とは、化学的方法によって人工的に合成された物質。天然物でも合成あるいは調製されていれば化学物質です。

 

「水、グリセリン、コカミドプロピルベタイン、ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルアラニンNa、 ラウラミドプロピルベタイン、ラウロイルサルコシンNa、ラウレス-4カルボン酸Na、ココイルグルタミン酸Na、デシルグルコシド、グリチルリチン酸2K、 サトウキビエキス、セラミド2、PEG-30フィトステロール、加水分解ヒアルロン酸、加水分解コラーゲン、コカミドMEA、リンゴ酸、 ポリクオタニウム-10、エタノール、BG、DPG、セテアレス-60ミリスチルグリコール、PPG-4セテス-20、EDTA-2Na、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、香料」

 

これは最近やたらと宣伝していて多くの店舗で販売されている"天然由来成分"から作ったとPRしている某オーガニックシャンプーの全成分です。成分のほとんど全部が、化学物質(ケミカル)です。ということは、「全然オーガニックじゃないじゃん!!」という事になります。しかも、この商品にはオーガニック成分すら配合されていません。

 

この商品に限らず、オーガニックヘアケア商品の多くがこんな感じです。そして、"天然由来成分"というのは、もともとは植物でもその天然素材に化学処理を加えてできた成分のことを意味しますので、これはもう完全な化学物質(ケミカル)と言えます。

 

何故、こんなものが堂々と"オーガニック"と謳って販売されているのでしょうか?

 

仕事柄、お客様や知人からどこのオーガニックシャンプーがいいの?とよく聞かれます。"オーガニック"といった点を基準に考えるとどこのオーガニックシャンプーも横並びだと思います。良いも悪いもありません。

 

前述した様に本物のオーガニックシャンプーなんて無く、有るのはせいぜい"オーガニック成分配合ケミカルシャンプー"だという事をふまえた上で、自分に合うものを選ばれたら良いのではないかと思います。

 

お客さまから◯◯オーガニックシャンプーってどう?と聞かれると、僕は、まず、そのメーカーのホームページをチェックします。パッケージのイメージやキャッチコピーは全部無視します。そして「全成分」が明記されているかどうかを確認します。

 

残念ながら、ほとんどのメーカーが、オーガニック成分と言えるものだけを明記し、無添加、ナチュラル、オーガニックをウリにしているにも関わらず「全成分」を明記していません。メーカーの"不都合"を感じますよね…。

 

 "オーガニック"にもメリットとデメリットがあります。(今回は詳細を述べませんが…)"オーガニック成分配合ケミカルシャンプー"にもメリットとデメリットがあるのですからメーカーは全成分を明示し、何故、現在、"オーガニック"が注目されているのかをもっと真剣に考えるべきではないでしょうか?

 

 

 

昨年11月号のPREPPY(プレッピー)では「美容室とオーガニック」という記事を特集していました。

 

TWIGGYの松浦さんがボタニカルをテーマとしたビジュアルワークをされていました。素晴らしい"ファッション"の表現です!流石です!

 

しかし、残念ながらこの特集記事全般、"トゥルーオーガニックス=真のオーガニック"をベースにした内容ではありませんでした。

 

 オーガニックを求めるという事は、ヘルシー、フューチャー、エンバイロメント、アニマルライツ、エシカル...という内面的なとても優しくて強いヒューマニティに溢れているんです。その真のオーガニックをベースにして表現されるファッション、旬のトレンド、"トゥルーオーガニックス オン ファッション"こそが本当にカッコいい!と思います。

 

文 小笹久幸(Natural&Organic esiotrot)